AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜

田中ロミオAURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(小学館ガガガ文庫)を読みました


以下、ネタバレ・大嘘・妄想が混在しています。ご注意ください。


青の魔女・リサーチャーは、ある夜、現象界人・佐藤一郎と出会います。

リサーチャーの姿は光学的に隠蔽されていて、一般の現象界人には視認できないはずなのですが、
魔眼保持者である一郎くんはリサーチャーを見ることができるのでした。

リサーチャーは、一郎くんの協力を得て、現象界に散在している〈竜端子〉の探索に向かいます。

〈邪聖剣士ツヴァイ・バンダー〉、〈世界議長〉、〈闘装騎震イグナイト〉、〈流浪の吸血鬼〉、〈眼帯剣士〉といった〈戦士たち〉を巻き込み、
悪意に満ちた妨害工作を受けながらも、
一郎くんと力を合わせて、次第に竜端子の謎へと迫っていきます。

役割を果たしたリサーチャーは、自ら帰還のための神殿を建立し、儀式を行おうとしますが、
その時、彼女を引き止めたのは……



…と書くとちょっぴりファンタジー風なお話に見えなくもないですが、
実際は、佐藤一郎くん視点の、ぼーいみーつがーるな学園ラブコメ(?)です。

僕の地球を守ってとかその辺の、1990年前後に流行したようなお話が、
20年も経つとこんな風になりますよ〜、みたいな感じでしょうか。


ぼく自身は、想像力も創造力も大して保有していないので、大々的にこじらせることがなかった反面、卒業もできないまま、未だにズルズル引きずっちゃってたりします。

作中で善意の一般人として描かれる子鳩さんに、わりと近い位置付けなのかもしれません。

「わっ私にも! 私にもいい前世とかないのかなっ!」
なんですよね。

自分で世界設定とか人格とかを創り出すのって、案外しんどいものです。

ましてや、それを人前で披露しようだなんて、とても思えやしないわけでして。

らのべばっかり読んでるのも、結局、他人様の創作物から幻想成分を補給したいってことなわけでして。


なので、想像力と創造力とを兼ね備えた彼女ら/彼らの言動は、痛々しいながらも、羨ましさを感じてしまうわけです。

弓菜さんではないですが、「……ひきょうだぁ」です。



余談ですが、著者の人の本業方面での新作が某keyさんの予定だそうで。

夜の学校の場面は、やっぱり某KANONへのオマージュなのかしら。

情報体って、何だったんでしょう???