人類は衰退しました 2
いや〜、面白かったですよ
やっぱり大好きです♪
人類がゆるやかな衰退を迎えて、地球が『妖精さん』のものになった時代、
妖精さんと人間との間を取り持つ国際公務員の『調停官』である「わたし」を主人公とした、波瀾万丈のお話です
以下、ネタバレです。
今回は、ややSF色が強いでしょうかね?
「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」は、使うと身体が小さくなってしまう不思議なスプーンの物語。
妖精さんサイズになってしまった「わたし」が、動物たちの世界を大冒険します。
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、タイムパラドクスもの。
お菓子大好きな妖精さんたちは、お菓子を作れる「わたし」がたくさんいればいいのに、と考えますが、「クローンは、めー」されてしまい…、という感じ。
「弱肉強食」では、ガリバー旅行記だったり、ガンバの冒険だったり、アルジャーノンに花束をだったり…
「時間活用術」では、おそらく各種タイムスリップものだったり…
(余談ですが、「スリップ」がキーワード)
いろんな作品へのオマージュ(?)に満ちあふれています。
中でも、ドラえもんをはじめとする藤子・F・不二雄作品的な雰囲気が、強く感じられる気がします。
身体が小さくなってしまう、というのは、「ドラえもん」でもよく扱われているモチーフですが、
「弱肉強食」は、特に「デビルカード」(お金が出る代わりに身長が縮む道具)に近いですかね。
身長が縮む恐怖に加えて、もう一工夫あるのが、見事です。
「アルジャーノンに花束を」を読んでおいてよかった、というか…
「時間活用術」は…「ドラえもんだらけ」とか「自分会議」とか「パラレル同窓会」とか、でしょうか…
もしかしたら、もっと明確な元ネタがあるのかもですが…
人間以外の種族が知的に発達するというのも、F先生の得意分野ですし、前巻のペーパークラフト騒動も、ドラえもんの「紙工作がおおあばれ」な勢いでしたし。
あとがきにもさり気なく暗記パンが登場しますし…
個人的には、とても親近感が沸きます
元ネタを知らなくても十分おもしろいですが、知っていると更に楽しめる、というか…
アルジャーノンのくだりなんかは、グッときました。
が、ふんわりまったりな雰囲気のおかげで、さほど重たくなるわけでもなく、
ほんわか楽しめましたです