悲しみのキャンバス

静岡県立美術館「石田徹也―悲しみのキャンバス」展および「NHK日曜美術館30年」展に行ってきました。

日曜美術館展の方は…正直、大して興味も持てず、するっと通り抜けただけになってしまいました
図録は読み出がありそうで、まぁ、見識を広げるにはいいかなぁ…なんて。


で、石田徹也展。
今までで最大規模らしいのですが、これ、ほんとに入場無料でいいんでしょうか???
いや、もう、大迫力でした。

まず、実物があんなに大きいとは思っていませんでした。
遺作集にも寸法は表記してありましたが…
中には4つ合わせて一枚の絵になっているものもあって…
この迫力は、作品集では伝わらない部分ですね。

それから、遺作集には掲載されていなかった作品も結構ありました。
芸能人やスポーツ選手をモチーフにしたような作品など、少し毛色の違うものとか。



石田徹也さんの絵は、安易に「好き」というのがためらわれるような、どこか沈鬱な印象があるように思います。
作品解説やら、寄せられたコメントやらには、「孤独」だの「悲しみ」だのといった言葉が多く使われているようですが…
絶望しているようだったり、懺悔しているようだったり、懇願しているようだったり、自責だったり、諦念だったり、空虚だったり、…
心に突き刺さるような、強烈な、言葉にならない感情が、湧き起こってくるようです。
(作者のコメントでは、極力メッセージ性をなくしているようで、作品から受ける印象は観賞する人による、としています)



石田徹也展、8月19日までだそうで、間に合ってよかったと、つくづく思いました。